都知事、日々荷物を届けている宅配各社の配達員、日々商品を発送する荷主に加え、司会者も消費者の立場として参加し、今まで知ることのなかった配達の現場の実情などを聞き、どうすれば「再配達」を減らすことができるかをテーマに、トークが繰り広げられました。
まず、小池都知事が、1901年1月の報知新聞に掲載された「二十世紀の豫言」 という、20世紀に実現するであろう科学・技術の未来予測が書かれた記事を紹介。
この記事において、Eコマースの実現が当時から予測されていたことに触れつつ、欲しいものがすぐ翌日には届いているというのは、配達員の皆さんの努力があってこそであり、まずは、配達の実情について聞いてみたいと投げかけました。
これに対し、普段都内の戸建ての多いエリアを担当しているヤマト運輸(株)の石川様からは、共働きの家庭が多いエリアでは夜遅くに帰宅する方も多いため、再配達になりがちであることや、宅配ボックスがあっても大きすぎて入りきらない荷物も多いという実情が紹介されました。
また、日本郵便(株)の平山様からも、インターネット通販の発達により荷物が飛躍的に増えている一方で、エレベーターのない団地の上層階での不在時の対応や、再配達先で再度不在の場合があるなどのエピソードを聞くことができました。
一方、荷主の立場として、(株)三越伊勢丹の小林様からは、お中元の発送などにおいて物流のピークを分散させる取組が紹介されました。
これらの話を受け、都知事から東京都で取り組んでいる置き配バッグ配布の支援に関する事業が紹介されるとともに、佐川急便(株)の行村様が、荷物のお届け予定の通知や配達日時を変更するサービスの活用や、自宅の宅配ロッカー、オープン型宅配ボックス、置き配バッグの利用など、いろいろな受取方法があるので、状況によって使い分けてくれるとうれしいと呼びかけました。
そして最後に、改めて都知事から、再配達を減らすにはできるだけ簡単にできることを、広く皆さんで活用していただくということがポイントであるとともに、配達が便利になる裏で事業者もいろいろ考えているし、利用者も自分たちでできることを考えていく、東京都はそれを後押しする必要があると改めて感じたと述べました。そして、「みんなで守る物流の未来」を大きなテーマとして、皆さんのご協力のもとで課題を解決して東京の物流を守ろうと呼びかけて締めくくりました。
その後、宅配3社のマスコットキャラクター、佐川急便の「飛脚のcocoro」、日本郵便の「ぽすくま」、ヤマトグループの「クロネコ」も加わり、参加者全員で記念撮影を行いました。